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A Love So Right / George & G. (2007) [AOR]


So Much To Say

So Much To Say

  • アーティスト: George & G.
  • 出版社/メーカー: Avenue Of Allies
  • 発売日: January 2007
  • メディア: CD



ひとつ寄り道をしたが、George & G.『So Much to Say』収録曲レビューをもう少ししてみる。

今回は、

A Love So Right

これ以上ないほどの美旋律を誇るバラードナンバー。

実はこのアルバムを一通り聴いて、最初に耳に残ったのはこの曲だった。

『どこかで聴いたことのあるメロディだなぁ』

一聴した感想である。

思い出せないが、これは誰かの曲のカバーに違いない…

そう感じたのだが、それに当たる楽曲はついぞ探し出せなかった。

楽曲の作者として、クレジットに書かれている【Gloria Skelrow】【Rob Talor】なる人物の経歴もまったく分からない。

しかし、この曲のメロディはとにかく気持ちがいい。

曲を聴きながら、次に予想している音階がほぼその通りに展開される。

限りある音階の中で正直、ほとんど出尽くした感のある数々の旋律たち。

新たに楽曲を作り出そうとする側からすると、どうしても聴き手側の予想を外す音階やコード進行をどうにかして展開しようと模索しがちだ。結果、曲として消化不良のものになってしまうパターンはきっと多いのだろう…

しかし、この曲の流れはじつに自然である。素直と言った方がいいのかもしれない。

本当に潔すぎるくらいに…

心地よい音楽というのは、そもそも、

『どこかで聴いたことがあるようなメロディ』

なんだろうな。

まあ、いろいろ書いたが、「A Love So Right」のメロディはただただ心地よい。

しかし、何度聴いてもデジャヴ(既視感…この場合は、既聴感か)を感じずにはいられないのだが…




You're so right for me
ぼくにとってはやはりきみなんだ
And I'm so right for you
きみにとってのぼくもきっとそうだろう
I know you don't think its right
きみがそんなことをわざわざ気にしてないのは分かっている
To love the way we do
ぼくらのそんな愛のやりとりは
Both of us hurt someone else
ときに他の誰かを傷つけてきた
Every time we touch
ぼくらが触れ合うたびにね
But we have gone too far
やはり、ぼくらは行き過ぎているのか
And now it's time to think of us
そろそろ自分たちのことを振り返ってみる時なんだろう

(Chorus)
Love so right just can't be wrong
がむしゃらに愛し抜くことは決して間違いではない
The two of us belong
ぼくらは一心同体なんだ
So how could it be wrong
だから どんな間違いをしたにしても
To love you
きみを愛している
To hold you in these arms of mine
ぼくのこの腕はきみを包むためにあるのだから
For now and all of the time
いまもこれからの時間もすべて
It's all I ever want to do
きみのためにあるのだから

In some other time
きみと離れている時
In some other place
きみがいない場所で
Who knows I might have passed you by
ぼくはきみが他の誰かに連れ去られやしないかと不安になる
It's just another face
互いの顔がそこになければ
But I saw you and you saw me
ぼくはきみを探し、きみはぼくを探すだろう
All at once we knew
ぼくらは互いに通じているんだ
That life is more than just
ふたりにとってそれ以上のものはない
A string of days for getting through
ふたりには目に見えない糸がいつも繋がっているのだから

(Chorus Repeat)

You know this sun is going to rise tomorrow
明日が来れば、日はまた昇る
No matter what we do tonight
今夜ふたりがどうなろうと
But it all will seem a little brighter
そして、ふたりに明かりが差し込んできたのなら
'Cause in the morning light
きっと朝の光のせいさ
You know we were right
そして、それはふたりを優しく包む光なんだ

(Chorus Repeat)



ここでいうRight『ふさわしい』はきっと互いが互いを照らすためのLight(光)でもあるのだろう。

Voice of AOR (6.13 渋谷公会堂) [LIVEレポ]

2012年6月13日、夕刻、ボクは『渋谷公会堂』の名を取り戻した場所にいた。

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うん。『渋谷C.C.Lemonホール』より、やっぱりしっくり来る。。。

これを観るためだ。

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VOICE OF AOR

Toto, Chicago, Journeyで活躍した4 人のヴォーカリストが一堂に会し、夢の競演を果たす・・
「AFRICA(TOTO)」、「ROSANNA(TOTO)」、「ANGEL DON’T CRY(TOTO)」、
「LOOK AWAY(CHICAGO)」、「ANYWAY YOU WANT IT(JOURNEY)」、「SEPARATE WAYS(JOURNEY)」
等それぞれのアーティストのヒット曲を中心に構成される極上のセットリスト。

<VOICE OF AOR来日アーティスト>
Bobby Kimball (Original singer of Toto) / Bill Champlin (Formerly of Chicago) / Fergie Frederiksen
(ex. Toto) / Steve Augeri (ex. Journey)
[Band] LEGENDS (from Sweden)

CREATIVEMAN公式サイトより引用


それほど大々的に宣伝していた感じもしないのだが、2ヶ月ほど前に偶然ネット上でこの情報をキャッチ。ナント、もうチケット発売しているではないか!!

発売開始して時間も経過しているし、いい席ではないかもしれないけど、コレを逃すともう観れない方々かも知れないし、行くしかないとの思いでチケットを購入した。

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アレ、前から10列目…

いい席だ…( ̄◇ ̄;)

ひょっとして、売れてないのかな?

…と余計な心配を胸に当日を迎えたのだった。。。

今回も事前情報を閲覧することは極力避け、当日に臨んだ。どんなナンバーを演るんだろう…とワクワクしながら。。。

さて、チケットを手に会場内に入ると客先はまばら…

おいおいっ、このメンバーにこんな少数のオーディエンスは失礼なんじゃない?と思っていたが、開演前にはほぼ9割方1階は埋まっていた…2階はどうやらクローズらしいが…

ほぼ定刻過ぎに照明が落ち…、ドラムが取り始めると…あの爽快なフレーズが…

うひゃーっ、オープニングは「Carmen」かよ…

個人的にはいきなりのハイテンションだ。。。

ステージの中央に登場したのはTOTO2代目ヴォーカルのファーギー・フレデリクセンだ。
(2番目画像の左下参照)

初めて生で見るファーギーは小柄で細身の好々爺なおじいちゃんといったところなのだが…

低音部はバック・バンド、Legendsのキーボード奏者がソツなく担当…

そして、高音部のファーギーのパートは…うわーっ、出てる…出てる…

昨年は大病を患い、御年61歳には到底見えないエネルギッシュなハイトーンがいきなり炸裂…この1曲だけでも来た甲斐があった…素直にそう思えた。

2曲目は「Angel Don't Cry

これも大好き!!!セールス的にも評価的にも大して人気の高くないアルバム『Isolation』からのナンバー(ファーギーはオリジナルアルバムはこの1枚だけの参加)だが、個人的には好きなTOTOのアルバムで3本の指に入るのだ。

この2曲だけで冥土の土産に出来る…(笑)

そして、「Angel Don't Cry」とクロスフェードしながら、3曲目の「Endless」のキーボードのイントロが…

『Isolation』では比較的印象の薄い曲だったが、この夜のLiveではこの曲の新たな魅力を聴いた気がした。ハイキーのナンバーが続き、ファーギーも少々疲れた感はあったが、このナンバーの魅力を再認識した意味でもよかった。

そして、アルバムタイトルトラックの「Isolation」。

ここでひとまずファーギーの出番はおしまい。

個人的には「Lion」や「Stranger in Town(ファーギーメインの曲ではないが)」も聴きたかったが、それは贅沢というもの…なによりファーギーの声がもたないか(笑)

そして、お次は豊かなお腹を携えて、御大ともいうべき、ビル・チャンプリンが登場…
(2番目画像の右上参照)。

1曲目は「You're Not Alone

当日のセトリは大方の予想はつけていたはずだが、この曲から来たか…の思い。そう言えば、『19』からのシングルはそれまでにないほど、ビル・チャンプリンがフューチャーされたナンバーが多かったっけ…と今更ながら思い出す。

ただ、ミドルテンポのこの曲でファーギーで盛り上がっていた観衆もちょっとクール・ダウン。

しかし、次でまた盛り上がらずにはいられなくなるのだった。

2曲目は「Look Away
そう言えば、この曲もリードヴォーカルはビルだった。ボクの記憶が正しければ、シカゴが輩出した今のところ、最後のNo.1ヒットだ。コーラスのレベルが少々小さいことが気になったが、ビルの力強いヴォーカルはまだまだ健在だ(御年65歳)。

そして、次は「After the Love Has Gone」。Earth, Wind & Fireのヒット曲として、一般的に知られているのかもしれないが、デイヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンと共作し、1979年のグラミー賞最優秀R&B楽曲賞を獲得した。まぎれもなくこれはビルの代表曲だ。

次はバンドメンバーが一旦引き下がり…、ビルがキーボードに座ると静かに鍵盤を弾き始めた。。。

I Don't Wanna Live Without Your Love

これは…忘れてた(笑)これもビルのメインのナンバーだ。キーボード弾き語りでどこまでも力強くソウルフルにビルの歌声は会場にこだました。

ファーギーも4曲だったし、曲調も締めにふさわしい気がしたので、ビルはここまでかな?と思ったのだが、次の瞬間、ビルはファーギーをステージに呼び寄せ…

あの柔らかくも胸を焦がすようなイントロが…

!!!

Hard Habit to Break」だ~!!!

2番目の個人的なハイライトだった。。。コレはChicagoで1番好きな曲なんだ。

ピーター・セテラのパートはファーギーが。。。サビの「You're a hard...habit to break」はビルが…

ボクはこの曲は1984年に日本武道館で見ているのだが、かれこれ28年前。。。ピーターとの掛け合いじゃなきゃという声もあろうが、ホントにこの場にいてよかったと思った瞬間だった。

二人のヴォーカルに会場は酔いしれ、歌い終わったビルが次のシンガーをコールする。

「次なるシンガーはあのジャーニーのスティーヴ・オウジェリー!!」
(2番目画像の右下参照)。


あのキーボードのイントロとともにスティーヴが入場してくる。見た目は心なしか、あのスティーヴ・ペリーを思わせる。

Separate Ways(Worlds Apart)

会場のヴォルテージは最高潮!!

まだ、スティーヴは本調子じゃなかったか、声は最初出てなかったが、徐々に聴こえるようになってきた。。。

今回のメンバーでは1番若い(53歳)なので、頑張ってもらわなきゃね。。。

次のナンバーも観衆のテンションは上がりっ放し。。。

Don't Stop Believin'

これがジャーニーの中で1番好きだというファンも多いだろう。

ボクはジャーニーは何故か生Liveを見逃しているので、この曲が聴けてすごくうれしかった。

そして、ここで…あのストリングスが…

おおっ、「Faithfully」だ~!!

てっきり、「Open Arms」を演るかと思っていたので、嬉しい誤算だった(個人的にはコチラの方が好き)。。。
このころになると、オウジェリの声にも張りが出てきた。。。

そして、次は…

Any Way You Want It」!!!

個人的な3番目のハイライトだ!!

この曲も予想にはなかった。。。オウジェリもノリノリで後半、観衆に「Any way you want it. That's the way you need it. Any way you want it…」を何度もコーラスを促す。40~60代(?)中心の観衆も総立ちで声を張り上げていた。。。

何だかんだ言っても、ジャーニーのナンバーは映える…改めてそう思った。。。

そして、「Any Way You Want It(お気に召すまま)」を終えたスティーヴが満足げに最後のシンガーを紹介した。

「Totoの初代ヴォーカルであるボビー・キンボールが今からここに来ます」

…スマホを持ちながら、スーパーマリオのルイージのような風貌のボビーがその姿を現す。
(2番目画像の左上を参照)。

ステージから、バンドメンバーを、会場のオーディエンスをカメラでパシャパシャ撮っている…

いきなり、そのひょうきんな人間性を見せて、会場を爆笑の渦に誘い込んだ…

さて、1曲目は…

Girl Goddbye

1stアルバムからのナンバーだが、これもそう来たか…という感じだ。昨年、実はTotoの来日公演を観ているのだが、あのときは3代目ヴォーカル:ジョセフ・ウィリアムスがメインだったので、この選曲は歓迎だ。このナンバーもステージ映えするな…

ボビー・キンボールはLIVEでは高不調の波が激しく、最近ではなかなか1曲持たないと聞く(苦笑)が、まずはなかなかの声量で歌えているなと確認。

2曲目は…

あの雄大な大陸を思わせるイントロから…

Africa

デイヴッド・ペイチのパートはやはりLegendsのキーボード奏者が担当し、サビの高音はボビーが振り絞る。。。

間奏になるたびにボビーは水をゴクゴクと…(笑)

観衆はサビのところで、「I bless the rains down in Africa...」の大合唱。

そして、次も人気の高い「A Millon Miles Away

ボビーはこのナンバーでソウルフルな歌唱を披露。この曲は他のナンバーより、キーが高くないのもあって、ボビーも気持ちよさげに歌い上げていたな。。。

そして、次はあのリズムが…

Rosanna

スティーヴ・ルカサーのパートもLegendsのメンバーが、そして、ビルが、スティーヴが…あれ、ファーギーがいない。

1st Verseの途中で慌てて、ファーギーがステージに駆け込んできた(笑)

何て自由なステージだろう。。。

会場は最初から、大合唱。「Meet you all the way, meet you all the way, Rosanna yeah」を何度もコーラスしていた。

そして、ここでボビーが…

「みんな、ここで彼のギターを聴いてくれ。トミー・デナンダーだ!!」

ああ、ヤケに巧いギターだな…っと思っていたが、彼がトミー・デナンダーか。メロディック・ハード界では知らないものはいないコンポーザー、プロデューサー、ギタリストだ。

事前情報を仕入れてなかったせいもあるが、このVoice of AORはトミー・デナンダーが立案したプロジェクトととのこと。バックバンドとして、スウェーデンからLegendsを引っ張ってきたのも彼なのだ。

しかし、不覚にも顔が分からなかった。ボクのイメージでは…

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だったが、この晩見たトミーは、これより、1.5倍くらいの体格で長髪…(苦笑)

しかし、腕前はさすがの一言。会場の「Rosanna,yeah!!!」とともに第1幕は終了し、メンバーは舞台袖へと消えていった。

しかし、会場の興奮は下がることなく、アンコールの拍手の渦…





ほどなく、まずはLegendsのメンバーがステージに戻ってきた。

???

次の瞬間、あの衝撃的なリズムが…

Child's Anthem

うわーそう来たか(≧∇≦)

この曲を最初に聴いたときはあまりの衝撃に当分放心状態だったな…と当時を思い出す。

そうすると、次は…

Georgy Porgy

アラ、「ジョージー・ポーギー」…これはボビーじゃなく、スティーヴ・ルカサーがメインの曲では?(苦笑)

まあ、この晩はAORというか、80sROCK満載の流れだったので、ある意味、この曲が1番AORしていた気がする。オリジナルではシェリル・リンのコーラスパートをボビーは歌っていた。
ぼくが「Child's Anthem」の次はこれだろうと思った「I'll Supply the Love」はきっと今後もどこかで聴けそうな気がするし(笑)

そして、次は…

Gift with a Golden Gun

おおっ、アルバム『Turn Back』からのリードナンバーをここで持ってくるとは。この曲を聴けるとは正直まったく予想していなかった。ある意味、嬉しい裏切りだ。うん。このナンバーもLIVE映えするなぁ…

だが、観衆は次に来るナンバーを今か今かと待ち構えていた。そんな空気がひしひしと伝わっていた。

「Gift~」が終わると…

あの鍵盤のたたく音が…

そう、

Hold the Line」だ。

会場の興奮は最高潮。

最初から脇目も振らず、観衆は各々が5番目のコーラスになったつもりで…

「Hold the line. Love isn't always on time!!」を何度も何度も何度も繰り返し、熱唱した。

いや…完全に80年代に心を戻らさせてもらったよ。

ありがとう、ファーギー、ビル、スティーヴ、ボビー、そして、トミーとLegendsのみんな。。。

ただ、楽しい…楽しい夜だった。

【SETLIST】
1. Carmen (Fergie Frederiksen & P-O Nilsson(from Legends))
2. Angel Don't Cry (Fergie Frederiksen)
3. Endless (Fergie Frederiksen)
4. Isolation (Fergie Frederiksen)

5. You're Not Alone (Bill Champlin)
6. Look Away (Bill Champlin)
7. After the Love Has Gone (Bill Champlin)
8. I Don't Wanna Live without Your Love (Bill Champlin)
9. Hard Habit to Break (Bill Champlin & Fergie Frederiksen)

10. Separate Ways(Worlds Apart) (Steve Augeri)
11. Don't Stop Believin' (Steve Augeri)
12. Faithfully (Steve Augeri)
13. Any Way You Want It (Steve Augeri)

14. Girl Goodbye (Bobby Kimball)
15. Africa (Bobby Kimball & P-O Nilsson(from Legends))
16. A Million Miles Away (Bobby Kimball)
17. Rosanna(Bobby Kimball & P-O Nilsson(from Legends))

=ENCORE=
18. Child's Anthem
19. Georgey Porgy(Bobby Kimball & P-O Nilsson(from Legends))
20. Gift with a Golden Gun (Bobby Kimball)
21. Hold the Line (Bobby Kimball & Fergie Frederiksen & Bill Champlin & Steve Augeri)


ここまで拙文・長文を読んでくださり、まことにありがとうございましたm(__)m

I'm Emotional / George & G. (2007) [AOR]


So Much To Say

So Much To Say

  • アーティスト: George & G.
  • 出版社/メーカー: Avenue Of Allies
  • 発売日: January 2007
  • メディア: CD



George & G. - 『So Much to Say』からの曲レビュー第二弾。

第一弾:With Every Breath - George & G. (2007)


実は今回紹介するナンバーが本アルバムでは1番のお気に入りである。

アルバム『So Much to Say』に収録されているナンバーはいろいろな時期に書かれたもので、自身の経験に基づいたものも少なくないようだが、今回紹介するナンバーはレコーディング前のジャム・セッションでパッと浮かんだ曲らしい。

かの名曲も実はものの数分で出来た…などのエピソードを耳にすることも多いが、本ナンバーもまさにジョージの突然のヒラメキが実を結んで、今、こうして我々の前に形を現して、届けられている。

曲との出会いも人との出会いと共通するものがあり、ちょっとした偶然やふとした思いつきに左右されることも多いんだ…ということを改めて思わずにはいられない。

さて、サウンド面に目を向けると、本ナンバーはまさにファンクロックとも言うべき仕上がりで、最初に聴いた時はまあ…ノリのいい曲だなというのが正直な感想で、それ以上でもそれ以下でもなかった…

しかし、このアルバムを数度と聴いているうちに気がつくと、ボクは次第にこのナンバーを本アルバム中で1番に聴きたい衝動に駆られるようになっていた…

転調する際のブレーキング(間)も然り、ジョージの歌う節回しも前回の「With Every Breath」とはまた違った強弱を意識的につけている。80年代洋楽をリアルに体験したものはその節回しにあの「Robert Palmer」を思い出すかもしれない。ボクも自然と連想してしまった。

そして、特に後半の畳み掛けるChorusの連続はこのナンバーを聴くたびにボクの気持ちを高揚(Emotionalに)させる…

いつか、何らかの形でこのナンバーは生Liveで聴きたい…そう強く願わずにはいられない。

そして、最後にふっと力を抜いたようにピアノの美しい旋律を以って、「I'm Emotional」は幕を下ろす。

憎い展開だ…本当に聴けば聴くほどクセになる・・・




Oh yeah...

It just came over me don't know what it is
それはボクが意識するかしないかのうちに突然降ってきた
A funny feeling in my fingertips
指先まで伝わるくすぐったいようなこの感覚はなんだろう…
My feet don't touch the ground
ボクの足はまるで地に着いてないかのようだ
Can't sleep at night
今夜はどうやら眠れそうにもない
You're always on my mind
いつだってきみはボクの心の真ん中にいる

Snow doesn't make me cold
雪が降ったって、ちっとも寒く感じることはない
The rain is not wet
雨が降ったって濡れることもない
The sky was green last time I checked,
ついこの間見た空は穏やかな蒼が広がっていた
The sun is burning hot
今は太陽がギラギラと焼きつき、からだを焦がす
I don't know why
何故いまがそうなのか理由など分からない
All I know is that you're on my mind
分かっているのはボクの中はキミでいっぱいだということさ

(Chorus)
I'm emotional for you baby
ボクはキミに夢中なんだ、ベイビー
An emotional kind of guy
ボクほどキミに情熱を注いでいるヤツはいないよ
When I close to you
キミがそばにいると
My emotions come alive
ボクの熱情は抑えようがないのさ
I'm emotional for you baby
ボクはキミにどうしようもなく夢中さ
Can't control what I feel inside
自分を抑えることなんてできない
When I close to you
キミが横にいると
My emotions come alive.yeah
ボクはもう最高潮になってしまうんだ、yeah

It's hard to hide and easy to see
見れば一目瞭然、そんな気持ちを隠すなんて無理さ
That something's really come over me
この感情はまさに自分に降りてくるのさ
Can't even eat my food
食べることも忘れ
Can't even tie my shoes
靴ひもを結ぶことさえ忘れ
All I can do is just to think of you
ボクはひたすらきみのことばかり想い焦がれる
I'm wide awake in the middle of the night
真夜中にきみのことを想い、目を覚ます始末さ
Tossing and turning,turn out of the light
そしてほてった身体をさます術など知るはずもないんだ
Won't let me sleep
そして、また眠れなくさせる
Won't let me be
どうにかなってしまいそうだ
This thing called love
これが恋なんだ
Just gets to me
そうだ、そうなんだ

(Chorus Repeat)

I'm falling in love
ボクは恋に落ちている
Can you catch me
キミはボクを捕えてはなさない
Catch me if you can I'm falling now
キミはすでにボクを捕らえてはなさない 本当にキミに首ったけなんだ
I'm calling your name can you hear me
ボクはいつもキミの名を呼んでいる…聴こえてこないかい
I'm emotional and this love has got me high
ボクは気持ちを抑えきれない、キミへの想いは高まっていくばかりさ

(Chorus Repeat)

I'm falling in love I'm falling in love oh baby oh yeah
キミがいとしくてしかたがない きみを愛しているんだ ベイビー
I'm falling in love with you,yeah yeah
きみが愛しい yeah,yeah
I just can't hide it really feel it
この気持ちは隠しようがない
I just have to tell you baby yeah
早くこの気持ちをきみに伝えなきゃ
I'm emotional I'm emotional
抑えきれない この気持ちは抑えられないよ
When I close to you
きみがそばにいるだけで
My emotions come alive
ボクの気持ちは最高潮に達するんだ
I'm so emotional
ああ どうしたらいいんだ
I'm emotional I'm emotional for you
きみが好きだ きみがどうしようもなく好きなんだ
I'm falling in love I'm fallin' in love oh baby
恋に落ちたんだ 完全にきみに恋をしたんだ ベイビー
When I close to you my emotions come alive
きみがそばにいると ボクの熱情はどうしようもなくなってしまうんだ…



サウンドも歌詞もまさに「Emotional」な内容。

曲中の人物はその後、夜も眠れないほどの衝動をどうしたのか…

彼女に受け入れてもらえたのか…それとも…?


With Every Breath - George & G. (2007) [AOR]


So Much To Say

So Much To Say

  • アーティスト: George & G.
  • 出版社/メーカー: Avenue Of Allies
  • 発売日: January 2007
  • メディア: CD



今回、紹介する曲はポーランド出身のアーティスト、George Grunwaldのソロ・プロジェクト作品

So Much to Say

この作品はSo-Net ブログで交流させて頂いているseawind335さんの記事で知った。そちらで数曲を視聴し、あまりの楽曲の良さに悶絶寸前…結果、数日後に本アルバムは手元にあったというわけだ。

さて、本作に登場するGeorge自身の知名度はほとんど無名に近い。しかし、一時期、L.Aでセッション活動を行っており、デヴィッド・フォスターらと親交があったという。

その関係からか、本作の参加ミュージシャンにビル・チャンプリン、ジェイソン・シェフ、ジョセフ・ウィリアムス、ルー・パーディニなど大物の名前が多数クレジットされている。

しかし、極めつけはデヴィッド・フォスターの秘蔵っ子と言われたウォーレン・ウィービーが生前最後にスタジオ録音参加した作品が本作であるらしい。

そんな話題性が満載な本アルバムだが、それを差し置いてでも特筆すべきはアルバムに収録された各楽曲の素晴らしさ。

物心ついてから、30年以上音楽を聴き続けてきたが、ここまで各曲のクオリティが際立っている作品に出会えたのは数えるほどしかない。

バラードあり、ロックあり、ファンクナンバーあり、緩急自在のその楽曲群には脱帽する他ない。聴けば聴くほど、新たな発見がある本アルバム。個人的エヴァーグリーンな作品に出逢えたことをseawind335さんには感謝せずにはいられない。

実情のところ、本作の知名度はほとんどないと思うのだが、こうした良質な作品はもっと多くの方々の耳に触れてほしいと思い、ここに紹介した。

このアルバムには聴いて戴きたい曲が何曲もあり、当分はその中から、数曲をピックアップし、1曲/記事でレビューをしていこうと思う。

まずは2曲目に収録されているバラードナンバーから…
(アルバムの収録曲順は輸入盤、国内盤で異なるのでご注意を)

With Every Breath



When you walked away
きみは去っていった…
My whole world came tumbling down
そして、ぼくの世界の全てはひっくり返ってしまった
And I almost lost the will to live
明日を生きていく気力など、およそ無くしてしまった
Girl you broke my heart
ガール…きみはぼくの心を壊してしまったんだ…
You took everything from me
きみはぼくの全てを持っていってしまった
I who gave you all that I could give
今までぼくは惜しげもなく、何もかもきみに捧げてきたんだ

(Chorus)
With every breath I take
ぼくは呼吸するたびに
As soon as I awake
気づかされるんだ
It's you I'm thinking of my love
きみをどれほど想っているのかと…
With every mournful sigh
悲痛なためいきがからだを駆け抜けていく度に
Each time I start to cry
ぼくは決まって涙があふれだしてくる
It's you I'm thinking of
きみへの想いの深さに打ちのめされている…
My love
愛しい…
My love
どうしようもないよ…

I just stay at home
ぼくは家のなかに閉じこもっている
I don't feel like going out
外に出ていきたくない…
I could face the world alone
世界でたったひとり取り残されてしまったようで
No more
これ以上の
Oh how I wish that I
ああ、ぼくは今日もありえないことを望むんだ…
Could wake up and you would be
目覚めたときにきみがそばにいてくれる…
And we two could go on like before
ふたりが以前のような関係のままでいまもいられたら…と

(Chorus Repeat)


曲のタイトルはあのThe Policeの「Every Breath You Take」(邦題:見つめていたい)を想像させる。

この曲はスティング自身が人の持つ執着をテーマにした曲だと後年述懐しているが…

「With Every Breath」も壊れてしまった関係を今だ断ち切れない男性(おそらく…)の話だ。

メランコリックなメロディに乗せて、そんな曲中の人物の深いため息が伝わってきそうにGeorgeの情感豊かな歌唱が広がっている…

いつの時代も男は弱いもので…

と言うと、性別なんて関係ないと各方面から非難の声が上がりそうだが。。。

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