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Valotte / Julian Lennon(1984) [The Beatles]

Valotte

Valotte

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Virgin VIP
  • 発売日: 1997/03/13
  • メディア: CD

 



2007年に1度書いた記事なのですが、もっと多くの方の目に触れて欲しいと思い、再編集しました。
今後もこのスタイルは時折出していきたいと思ってます。

今日、ピックアップしたのは…

ジュリアン・レノン…

セカンドネームが語る通り、あのビートルズのメンバーだったジョン・レノンの息子になります。

「Valotte」は1984年、20歳でデビューしたジュリアン・レノンのデビュー作です。
全編に流れるピアノの音色が美しいバラード曲で、当時、一聴したときから、今も大好きなナンバーのひとつです。


歌詞の内容は愛する二人の不変の愛を歌っているように思えますが、実のところは父ジョン・レノンへの思慕が強く感じられるのです…


Valotteとはフランスにある町の名前です。ジュリアンはこの町で1stアルバムの曲作りを行いました。そこにタイトルが由来しているのでしょう。


世界的大スターを父にもつジュリアン。しかし、彼の幼少期は不遇なものでした。1963年に父ジョン、母シンシアの間に生を受けたものの、時はビートルズがまさに大ブレイク直前で、シンシアとジュリアンの存在は秘密でした。ジュリアンは多感な時期に後にシンシアと別れ、オノ・ヨーコと再婚した父ジョンと会えたのは数える位しか無かったといいます。
(ビートルズの代表曲「ヘイ・ジュード」のジュードはジュリアンの愛称でポール・マッカートニーが彼を慰めるために作った歌というのは有名です。)

Sitting on the doorstep of the house I can't afford,
まだ納得いかずに玄関前のステップに佇んでいる
I can feel you there
きみはまだそこにいるんだって
Thinking of a reason, well, it's really not very hard
なぜなんだって考えてみたけど そんなに難しいことじゃない
to love you even though you nearly lost my heart
ぼくはやっぱりきみを愛し続けたいんだ
How can I explain the meaning of our love?
ぼくたちの気持ちをどう表したらいいんだ
It fits so tight, closer than a glove
しっくりくるんだ 手袋をはめたときの感じよりもね

(※)
Sitting on a pebble by the river playing guitar
川岸にある小石に腰掛けながらギターを爪弾いている
Wond'ring if we're really ever gonna get that far
ぼくらの気持ちは本当に遠く離れてしまったのかな
Do you know there's something wrong?
いや きっとそれは違う
'Cause I've felt it all along
ボクのココが違うってずっと言っているんだ

I can see your face in the mirrors of my mind
きみの表情はぼくの心の鏡に映し出されたようだ
Will you still be there?
きっとまだここにいるんだ
We're really not so clever as we seem to think we are
ボクらは自分たちが思っているほどうまくやれていたわけじゃない
We've always got our troubles so we solve them in the bar
いつもケンカをしては お酒を呑みながら 仲直りしてきた
As the days go by, we seem to drift apart
でもやはり日々が過ぎるにつれ お互いの間に距離を感じ始めてきた
If I could only find a way to keep hold of your heart
きみの心をつなぎとめる一番の特効薬が見つかればいいのになぁ

(※Repeat)

Sitting in the valley as I watch the sun go down
谷間に腰掛け 太陽が沈んでいくのをじっと見つめている
I can see you there.
やっぱり感じる きみがそこにいるのを
Thinking of a reason, well, it's really not very hard
なぜなんだろう そうさ 簡単なことなんだ
to love you even though you nearly lost my heart
ボクはきみを愛しているから きみがボクの心に気づかなくても
When will we know when the change is gonna come?
いつかは分かってくれる日が来るのかな
I've got a good feeling and it's coming from the sun
ボクは太陽がきっと大丈夫さって 背中を押してくれる気がするんだ

Sitting on a pebble by the river playing guitar
川岸にある小石に腰掛けながらギターを爪弾いている
Wond'ring if we're really ever gonna get that far
ぼくらの気持ちは本当に遠く離れてしまったのか
Do you know there's something wrong
いやそんなはずはない
We'll stick together 'cause we're strong
ボクらは互いが考えている上にしっかりと結びついているんだから



上記の歌詞の中にある下記の部分はこうも読めるのかなと思いました。

そして、そう読むとジュリアンの複雑な心情が垣間見えるんですよね…


you nearly lost my heart
When will we know
when the change is gonna come
I've got a good feeling and
it's coming from the sun



あなたは私の心を拾おうとしてくれたのだろうか
そして、そうだとボクは悟ったから、あなたへの感情がきっと好意に変わっていったのだろう
夜明けの来ない朝はないんだ

from「Valotte」 by Julian Lennon






この歌には隠しようも無い父ジョンへの愛憎が投影されているのが感じられます…


ただ、心の中の真実はともかく曲自体のクオリティは高く、『Valotte』は商業的成功を収めます(シングル9位、アルバム17位:Billboard誌)。


しかし、どうしても世間の目はビジュアル的にも声質的にも似ているこのJr.を色眼鏡を通してしか判断できずに批評家筋の評価は芳しいものではありませんでした…


その後、3作ものアルバムを発表するもセールスは徐々に減少し、1991年から7年もの間、沈黙期間に入ってしまいます。


そして、98年に発表された『Photograph Smile』は吹っ切れたかのようなPOP SONGに溢れ、中にはビートルズ調の曲もいくつか聴けます。


批評家の評価も好意的なものがほとんどでした。ジュリアン自身も「これが僕のデビューアルバムだ」と述懐してます。


「Valotte」から14年、この時初めて、John Lennon Jr.では無い「己」としてのJulian Lennonが地に足をつけたのかもしれません。


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